1994年11月26日 朝日新聞

色覚検査は一回だけ 文部省見直しへ プライバシー配慮 個室で1人ずつ

 小中高校の健康診断の見直しを進めていた文部省は、高校を卒業するまでに4回行っている色覚検査を小学校の時の1回に減らす方針を固めた。来月にも学校保健法施行規則(省令)を改正する。プライバシーの観点から批判の強かった検査方法については、個室での一対一の検査を明確にし、「子どものプライバシーへの十分な配慮」を求めた通知を都道府県教育委員会に送る。  
 色覚の異常は「色盲」「色弱」などとも呼ばれ、学校では現在、小学1年と4年、中学校1年、高校1年の4回、検査が行われている。省令の改正により、これが来年度からは小学校4年時の1回だけになる。
 従来の検査では、同じ部屋で検査を待っている他の子どもたちに結果が分かってしまう恐れもあった。このため、文部省は「色覚異常のような個人情報が他人に漏れるようなことはあってはならない」と判断。対象の児童を一人ずつ個室に入れ、養護教諭などが調べる方法に改める。
 色覚異常者に対する就職などでの差別は依然残っており、学校での一律の検査が社会的差別を助長しているという意見も強い。しかし、文部省の委託を受けた日本学校保健会の検討会が今年4月、「小学校4年で一回実施することを原則とする」との報告書をまとめたため、その内容に沿った改正とした。
 文部省は「色覚に異常がある子どものいるクラスでは、例えば、緑の黒板に赤のチョークで書くのを控えるなどの配慮が必要だ。現段階では検査は指導上必要と判断した。しかし、子どものプライバシーを守るのは当然で、都道府県教委にその趣旨を徹底したい」としている。
 一方、文部省は、裸眼視力の検査廃止も正式に決定した。めがねをかけた児童、生徒は来年度から、めがねをはずさない視力検査だけになる。

(朝日新聞 1994年11月26日 記事)