2016年1月6日 毎日新聞

見え方いろいろ NPOなどバリアフリー目指し 色弱体験レンズ開発


 “色のバリアフリー”を目指すNPO法人「トゥルーカラーズ」(大阪市中央区)と、色弱者向けの補正レンズを開発する「ネオ・ダルトン」(同)が、色覚異常を体験できるレンズを開発した。
 色覚異常は日本人男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合でいるとされる。眼には赤、緑、青の光を感じる3種の細胞があり、一部が欠けたり、バランスが通常と異なったりすると色の見え方に影響が出る。色弱者は「赤と緑」や「緑と茶」などの区別がしにくい場合が多く、体験レンズの特殊なコーティングで可視光線の一部の色をカットしてその見え方に近づけるという。
 同NPOが学校などで開く講演会で使用するため開発したが、要望があったため予約販売を始めた。使いやすいよう虫眼鏡の形で、見え方別に3種類ある。各2万6800円。
 同NPOの高橋紀子理事長は「『色覚異常』と一言でまとめられがちだが、色の見え方は人によって異なり、多くの人は全く色がないわけではない。レンズを通じて識別しやすい色を意識し、配色などを工夫してバリアフリー化に役立ててほしい」と話している。問い合わせは同NPO(06・4708・5833)。【関雄輔】