2018年3月7日 大阪日日新聞

トレンド特急便 色覚障害にスポット カラーバリアフリー知って
25日に多彩な催し 箕面市民活動センター


 箕面市坊島の箕面市民活動センターで25日、色に焦点を当てたイベント「色いろFULLFULL(フルフル)」が行われる。色覚補正レンズの試着や色覚少数派の疑似体験、カラーセラピーなど、多彩な催しで「カラーバリアフリー」を訴える。(光長いづみ)

 色覚障害の補正と啓発活動を行うNPO法人「True Colors(トゥルーカラーズ)」(大阪市、高橋紀子理事長)が主催。箕面市を拠点に子育て中の母親を支援するNPO法人「ママトリエ」と合同でイベントを開催する。

■男性20人に1人

 色覚障害とは、赤と緑の区別がつきにくいなど、色の見え方に特性があること。「信号の赤と黄が区別しづらい」や「野菜やマグロの鮮度が分からない」といった日常生活での不便がある。日本眼科学会によると、日本では男性で20人に1人、女性で400人に1人の割合で、約300万人の色覚障害者がいるという。
 トゥルーカラーズが普及に取り組む色覚補正レンズは、赤・青・緑の光の3原色の透過率を1枚のフィルターで調整するもの。レンズは12種類あり、98%の補正を可能にする。
 イベントでは、補正レンズの試着のほか、補正の逆の理論で作られた色覚障害体験レンズも用意。また、愛知工科大の協力でトゥルーカラーズが制作した絵本「けんちゃんの色」を題材にしたプロジェクションマッピング、緑のライトの下で絵を描くワークショップと、色覚少数派と多数派の垣根を取り払う企画もある。

■見え方十人十色

 「みんなが同じように見えていると思っていた」。前職が広告代理店の高橋理事長は、色覚障害を知った時のことを驚きを持って振り返る。補正レンズを着けた男性が「生まれて初めてピンクを見た」と感動する姿が、活動の原点だ。
 色覚障害は男性に多く、遺伝性がある。家族の中で見え方の違いに悩むケースも多い。「体験レンズで『お兄ちゃんの見え方がわかった』と話す妹さんもいた」と高橋理事長。「色の見え方は十人十色で、違ってもいい。そして、補正によって趣味や進路の選択も広がる。あきらめないでほしい」

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 イベントは午前10時〜午後4時。カラーセラピーや、音楽や光で刺激を与える療法「スヌーズレン」体験、ママトリエによるハンドメード雑貨販売を行う。