2023年5月22日 読売新聞

色の見え方 こんなに違う 「ゴッホ・アライブ」 色覚レンズで鑑賞体験


  ゴッホ作品を空間に投影する没入型展覧会「ゴッホ・アライブ」(読売新聞などの実行委員会主催)が開催中の兵庫県立美術館(神戸市中央区)で21日、色の見え方の違いを体験できるレンズを使って作品を鑑賞するイベントが行われた。同展覧会は6月4日まで。

 イベントは、色覚多様性の啓発活動を行うNPO法人「True Colors(トゥルーカラーズ)」(大阪市)が主催、読売新聞大阪本社が共催した。
 事前に申し込んだ約80人が参加。イベントでは、大阪工業大学の赤井愛准教授と同NPOの高橋紀子理事長が、色は光によって見え方が違うことや、色の見え方は人それぞれで、赤や緑など特定の色が見えづらい「色覚少数派」がいることなどを講義した。
 その後、参加者は展覧会場で、色覚少数派と多数派のそれぞれの見え方が体験できる2種類のレンズを使い、会場に投影されたゴッホ作品の映像を鑑賞。色の見え方の違いなどを学んだ。少数派の見え方を体験した大阪市都島区の小学校教諭井上和美さん(64)は「全体的にくすんで見えたが、きれいに見える色もあった。教育現場でも見え方の異なる子どもがいることを意識し、教材の配色などを考えていきたい」と話していた。