2013年9月20日 読売新聞

色覚異常「発見」遅れる 眼科医会調査 学校での検査 任意で

 日本眼科医会は19日、2010〜11年度に全国の眼科医で先天的な色覚異常と診断された941人に聞き取り調査をしたところ、進学・就職時期を控えた中高生(185人)の約半数が異常に気づいていなかったと発表した。中には進路選択に支障が出るケースもあった。小学4年で行われてきた学校の色覚検査が03年以降、ほとんど行われなくなった影響と見られ、同会は検査の必要性を訴えている。
 調査結果によると、03年度以降に小学4年生になった世代で、進学や就職を控える中高生では、45%の85人が異常に気づいていなかった。
 「(色覚異常の人に制限のある)鉄道会社の試験で初めて知った。もっと早く知りたかった」(18歳)、「工業高校進学後の試験でわかり、進路選択に不安がある」(15歳)などの事例があった。
 先天性の色覚異常は、男性20人に1人、女性は500人に1人に見られる。色を感知する細胞の異常で赤と緑が判別しにくいといった障害が出る。かつては小学校で検査が行われたが、差別につながるなどの理由から、03年度以降は学校保健法上の必須項目から削られ、任意実施となった。
 同会は「早期の検査が必要」とし、小学校低学年と中学1年の希望者に検査をするよう提言した。