2013年2月20日 「ニューライフ」3月号

色覚障がいの人々の
安心・安全な暮らしを実現する理想の補正レンズ 2

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 このようなことを避けるためにも事前に自覚を持つ、あるいはご両親が知っておく必要があると思います。
 就職試験の直前に弊社に駆け込まれる方が多いのはそういった理由からだと思います。
 まず弊社の補正レンズの分類からご説明しましょう。色弱者1万300名を対象に調べると緑に対する感受性が強いか赤に対する感受性が弱い方が64%、赤に対する感受性だけが弱い方が34%、残りの2%の方が全色盲か青に対する感受性が低いということが分かりました。
 人間の脳は目から入ってくる三原色を通常は錐体で100%ずつ感じ取りますが黄色などは赤と緑の比率で脳が判断します。例えば緑を強く感じる方は100%以上、あるいは赤を弱く感じる方は100%以下となりますと色はお互いに影響しあいますので黄色も緑を強く感じてしまうことになります。
 それぞれの方の感度を測定するのが当社の色感度測定器になります。ずっと使われていました石原式、パネル式D15がありますが、1種類の検査方法ですとしっかり見極めることができません。
 測定の結果、それぞれの感度にあったレンズを選定しております。
 32種類のレンズをご用意しておりますが、98%の方は12種類のレンズで調整できます。

眞鍋 全色盲の方は視力自体が悪く、昔は弱視と診断されることもありました。視細胞には錐体と桿体があり、桿体は光覚の感度は良いけれど色は分からない、錐体は感度は悪いけれど色覚を有している。視野の中心の部分は錐体で、周辺は桿体、夜盲症は桿体の障害で起こり、視力とは関係ないのですが、夜盲が主たる障害です。
 もともと桿体がない方、網膜色素変性症の場合は進行性の病気で視力まで悪くなってくるので、医療の中に入れられて進行を遅らせることが必要でした。それに対する薬物療法が奏功して、長く視力を保つようにしています。そういう点ではブルーベリー等の目に良いと言われる物質を摂取し、少しでも長く保たせようとしているのです。
 医療のほうも考え方がだんだんと変わってきていますが、両方をうまく取り入れて生活の不自由を感じている方の手助けをするということからも医療に入れるべきだと思います。

足立 知り合いの娘さんが小学校の教員です。校内に「色覚障害者が少しでも暮らしやすい社会作りを目指す」NPO法人 TrueColors の制作したポスターだけでも貼って、無自覚の方に自覚していただきたいという話を持っていきましたが、色覚障害の方はいないと言われました。

眞鍋 昔から色盲の方の比率は5%あり、男性の劣性遺伝ですので女性には少なく男性は多いということが遺伝的にも証明されていますが、現在は色覚異常者は病院に行ってはいけないことになっており、診断してはいけないことになっています。
 差別に繋がるからでしょうが、医療の現場には文部省(現在の文科省)からの指示がありました。

足立 当時もかなりの論議があったと記事に載っていますが差別撤廃が優先されたということで現在のように検査が無いと、学校生活では守られるのですが、一歩社会に出ると、自覚がないために差し支えが生じるのです。先日も18歳の方が消防署を受けましたが健康診断ではじめて色覚障害を指摘されました。